元メジャーリーガー岩隈久志さんが
PREMIATAを愛する理由
世界で活躍する著名人へのインタビューを通じて、PREMIATA(プレミアータ)の魅力に迫る「10 people 10 colors」。
今回は2020年までの長きにわたってプロ野球の第一線で活躍してきた、元メジャーリーガーの岩隈久志さんをゲストに迎え、PREMIATA(プレミアータ)との関わりを深堀り。
21年の野球人生とその後、そのときスニーカーに求めることについて語っていただいた。

1999年、大阪近鉄バッファローズ(現オリックス・バッファローズ)への入団とともにプロ野球人生をスタートさせた岩隈さん。
2005年、東北楽天ゴールデンイーグルス発足とともに移籍し、初代エースとして一躍脚光を浴びる存在だったことは記憶に新しい人もいるかもしれない。その後も、メジャーリーグのシアトル・マリナーズで7年間活躍し、2019、2020年を読売ジャイアンツで奮闘。現役を引退した今なお解説者として、また古巣マリナーズの特任コーチとして活躍し、少年野球チームを運営するなどそのバイタリティは衰え知らずだ。
プロとして21年間、その後も精力的に活動する岩隈さんが、野球を続ける上で大切にしていたものは何だったのだろう。

長い現役時代に大切にしていたこと
高校を卒業してバッファローズに入団するとき、"最初の一年は陸上部だと思って臨んでくれ"と言われたのをよく覚えています。僕はピッチャーだったので専用メニューが組まれていたんですけど、それでも投球練習なんかより、体幹トレーニングや筋力強化、走り込みなどの基礎体力アップのためのトレーニングがメインでしたね。
やっぱり、1年間シーズンを通して戦い続けるというのは、高校野球とは比べ物にならないくらい精神的にも肉体的にも体力が必要なんです。長い野球人生ですからどうしても調子の浮き沈みはある。そういうときに"ふりだし"に戻れる自分なりの基本というか、"土台"みたいなものは、この頃に作ってもらったと思っています。
その土台がしっかりしていればしているほど、反対に新しいことへのチャレンジはより自由になります。例えばフォームを調整したり変化球をアップデートさせるとき"自分のなかでブレない軸"をしっかり持っていることが重要です。それは基礎や土台となる体力だったり、自分のピッチャーとしてのストロングポイントだったりすると思うんですけど、それをしっかり意識してこそ、配球や球種の変化、変化球の曲がり幅やスピードの変化が実際のゲームで効果的に活きてくる。現役を続けるときに大切にしていたのは、"基本とチャレンジのバランス力"みたいなところでしょうか。
"バランス"に優れたPREMIATAの靴
PREMIATA(プレミアータ)は、1885年にイタリア・マルケ州モンテグラナーロで創業したシューズファクトリーが手掛けるオリジナルブランド。
イタリア靴の聖地で作られるハイクオリティなシューズは日本上陸当初から確固たる地位を確立したが、それに慢心することなく近年はクラシカルでどこかモードなスニーカーライン「PREMIATA WHITE(プレミアータホワイト)」にも注力している。確かな技術や100年以上の歴史というバックボーンを大切に、また存分に活かしながら、時代に合致したチャレンジを続けるそのバランス力は、基本を大事にしながら常にチャレンジを続けてきた岩隈さんの姿勢と通じるところも。
そんな共通点を持つ両者が惹かれあったのは至極当然のことと言えるのかもしれない。

現役を引退したのが2020年で、それ以前は某スポーツブランドにサポートしていただいていました。でも何かしらの雑誌で見て、プレミアータの存在は知っていたんですよ。「ホ」に見えるロゴが印象的で(笑)
実際手に取ったのは1年前くらいでしょうか。今履いているのが「ルーシー」という定番モデルなんですが、程よいクッション性のおかげか履き心地がめちゃくちゃいい!先ほどバランスの話もありましたけど、ピッチャーをやってきた身としてシューズにはこだわりがあって。まず立ったときの安定感だったりとか踏み込んだときの横ブレの少なさとか、やっぱり気になっちゃうんですよね。実際プレミアータを履いたときに感じたのはバランスの取りやすさというか。ソールに体重を乗せたときの安定感というか、それは履いた瞬間"これはいいな!"と。
なんて言うと偉そうですけど、何だかんだ普段履きのスニーカーで真っ先に優先するのはやっぱり見た目なんです(笑)。この「ホ」に見えるロゴやソールのサイドに施されたプリントなども特徴的で、周囲と被りにくいのも非常にいいなと思いました。僕が履いている「ルーシー」について言えば、軽量で履き心地のいいオーソドックスなランニングシューズタイプなんだけど、人とはちょっと違うデザインというか。

野球と靴に共感する"遊び心"
上質なスウェードとナイロンを使用した「LUCY(ルーシー)」は、PREMIATA WHITEを代表するランニングシューズタイプの定番モデル。ディレクター兼デザイナーのグラッツィアーノ・マッツァ氏が好きなU.Kロックを象徴するユニオンジャックと、PREMIATAの「T」を合わせた特徴的なロゴに加え、ソールに施されたプリントもアイコニックだ。そんな無二のアイデンティティが濃厚に香る、コートシューズタイプの新作「STEVEN(スティーブン)」を岩隈さんに手に取っていただいた。


このデザインはプレミアータらしさもありながら、万人に受け入れられそうな普遍性もありますね。実際履いてみると、シャープなフォルムなのにクッション性はしっかり。インソールがかなり厚めに設定されているからなんですね。程よい硬さがあって、地に足が着いた安定感ある履き心地なんですけど、着地の衝撃はしっかり和らげてくれてます!
ちなみに、ファッションに詳しいわけでもお洒落のセンスを自負してるわけでもないんですけど、個人的に好きなのはこういうちょっとしたダメージ感のような、そういう"遊び心"があるもの。ソールひとつとっても、使い古した感じというか手作り感が感じられるデザインがすごく印象です。
遊び心といえば、野球に通ずるところもありますよ。いわゆる"配球"と言われますが、打たせないために直球や変化球など織り交ぜるんですけど"100%打たれない"って当然ありえないんです。だからあえて、少しアバウトに投げてみる。どこを狙うでもない"遊び"を持たせた投球で、バッターを揺さぶるんですよね。諦めるべきところはきっちり引き締めて、そうじゃないところは思い切ってハズす。そういったメンタリティの部分では共通するところかもしれませんね。

岩隈さんが取り組むSDGs
100年以上に渡って築き上げられた職人技を土台に、現代的で遊び心あるデザインが取り入れられたPREMIATA WHITEのスニーカーは、まさに岩隈さんにぴったりというわけだ。そんなモノ作りのフィロソフィーを堅守しながら時代の要請にも応えるPREMIATAは、近年サステナビリティにも注力。
今年は、生産過程における環境汚染を抑え、再生素材を最大80%使用した「JOHN LOW(ジョン・ロー)」もお目見えした。
SDGsが叫ばれる昨今においての、岩隈さんの取り組みについても聞いてみたい。

自分の取り組みを通して、"野球界全体に恩返ししたい"というのが第一の願いで、それが日本の野球の発展に繋がっていったらいいなと想い、今、中学生の野球チーム"青山東京ボーイズ"を運営しています。そこでは、男の子も女の子も分け隔てなく同じ練習をして、全員が同じ試合に出ることができます。どうしても野球は"男のスポーツ"というイメージが付き纏いがちですが、そのイメージを払拭したいんですよね。近年は女子野球チームも増えてきていて、さらに盛り上がっていく分野だと思いますから。
また、練習時間はできるだけコンパクトに、かつ効率的にすることを徹底。青山東京ボーイズでは勝ち負けにこだわるよりも、精神や個性、人間性を伸ばしてあげられる環境を作りたいんです。もちろん上手くなるための練習も行いますが、効率重視で時間はコンパクト。そうすると野球以外の時間が増えるじゃないですか。その時間、上手くなるために練習を振り返ったり自主練をしたり、あるいは他の興味があることに時間を費やしたり、野球をしていない時間こそ、その先高校生、大学生と進学して、社会人へと成長していく土台が作られると思うんです。

プレゼントするならどの一足?
スニーカーにおいても持続可能性ゼロでは未来はない。
素材使いや製造工程における環境負荷が少ないことはもちろんのこと、男性にも女性にも受け入れられるフォーマットもスニーカーの持続可能性と言えるかもしれない。そこで、SNSやメディアでたびたびご家族と登場する岩隈さんに、奥様へプレゼントした一足を選んでいただいた。

こんなにいっぱいあるんですね。どれも可愛くて一足に絞るのが難しいところですが、あえて選ぶならこのコート系のシューズですかね。プレミアータの「ホ」はないんですけど、だからこそ取り入れやすそうですし、ホワイトのクリーンななかに女性らしさもあるのがいい感じ。奥さんもこういうデザインのスニーカーが好みだと思うんですよね。

現役は退いてもチャレンジって大事!
たしかに、自分好みのプレゼントは何よりうれしいもの。とはいえ、まったくチャレンジしないセレクトはしばしば退屈だ。
PREMIATA WHITEのなかでもっとも急進的デザインを備えた「CROSS TRAIL(クロストレイル)」は、スウェードにナイロンやメッシュを組み合わせ、ビブラム社のアウトソールを採用。アウトドアギア的な無骨さにPREMIATAらしさも加えた新作シューズを、最後に岩隈さんに試着いただいた。


キャンプとかにも興味あるんですけど、こういうテクニカルなシューレースのスニーカー、合わせるのが難しそうでいまだに履いたことがないんです。実際手に取ってみると、ソールの厚いゴツい見た目に反してめちゃめちゃ軽いんですね。アウトドアシューズのような機能的デザインもあれば、プレミアータらしい遊び心あるデザインも利いてます。これ、キャンプに履いて行ったらすごくお洒落ですよね?(笑)
実際履いてみるとさらに驚き。かなり歩きやすいし、疲れにくそう!ミッドソールは厚めですが底が高い感じもグラつきもまったくなくて安定感抜群。土踏まずの部分もしっかり支えてくれて、アウトソールはグリップもしっかりしてるんですよ。じつは青山東京ボーイズの練習では、自分もプレーに参加するんです。ほとんど立ちっぱなしなのでめちゃめちゃ疲れるんですよ。これならお洒落もできて疲労も軽減できるかも?これは本当に練習会で履いてみたいと思います。
自分じゃ選ばないデザインだからって敬遠しないで、チャレンジすることってやっぱり重要なんですね。まさかプレミアータに気づかされるとは思いもよりませんでした(笑)
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Profile

岩隈久志 Hisashi Iwakuma
1981年生まれ、東京都出身。日本を代表する元ピッチャーの一人。堀越高校を卒業した2000年、ドラフト5位で近鉄バッファローズに入団し2001年に公式戦デビューを果たす。身長191㎝の体躯を持ちながらその投球は繊細で、狙ったところに投げる制球力は国内のみならずメジャーリーグでも高い評価を獲得していた。東北楽天ゴールデンイーグルス発足とともにオリックス・バッファローズから移籍すると初代エースとして球団を牽引し、2012年にはメジャーリーグのシアトル・マリナーズと契約し、日本人2人目となるノーヒットノーランを達成するなど6年間に渡りアメリカで活躍。マリナーズ退団後は読売ジャイアンツに入団。2020年に引退を発表し、その年の暮れにはマリナーズの特任コーチに就任したことが発表された。現在はプロ野球解説者としてメディアに出演する他、中学生の男女混合チーム「青山東京ボーイズ」を運営する。